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執筆者の写真Nobuhiro Kawai

Dijon


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ワイナリー巡りの後Dijonの街をひとりでぶらっと歩いてみた。

まだ、陽の落ちきらない薄暗い街が、少しずつ街灯に照らされる素敵な街に変わってゆく。

街を歩く人用にマークがしてあって、なんとなくそのコースに沿って歩いてみる。

時々、脇道に逸れるがいつの間にかまたそのマークを見つけることができた。


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こんなにもライティングの素敵な街を見るのは初めてではないだろうか。

明らかに日本のそれとは違って、間接照明で街を落ち着かせていた。

石畳に照り返す光も街の灯りの一部に見えた。

夜の街をこんなにもわくわくしながら歩くのは、いつ以来であろう。

街の街灯は行政の仕事である。

その行政に、こんなにもセンスのあるライティングができる。

ヨーロッパ人のセンスなのか、フランス人のセンスなのかはわからないが、見習うべきところがたくさんあるように感じた。


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あくる日にも、時間があって再び街を歩いてみた。

パリと同じく街の中にはレンタル自転車も見られた。

Dijonにはトラムが2012年9月から導入されていて、街の顔のような存在になってる。

そのトラムに乗って少しだが郊外に行ってみた。

すると、Dijonの凄さを目の当たりにしてしまう。

何の気なしに遠くを見つめると、緑の広場が見えたのでそちらの方に歩いていくとそれは、トラムが走る線路だった。


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線路に芝生が敷いてある。

こんな景観をみるのはテレビや雑誌などを含めても初めてだった。

環境に対して徹底的に配慮する。

トラムを導入するということ自体がすでに環境に配慮することである。

それは、街の中心地から車を排除するのが理由だからだ。

それに加えて、そこを走るエリアを全てではないが芝生にしてしまうという。

本気で自分の住む街、国を恥ずかしく感じられた瞬間であった。

ここに住む人々はきっとこの街を誇りに感じていることであろう。

環境への意識。

フランスは原発大国だ。

その一方で、それぞれの街では、このような取り組みがなされている。

取り組みがなされているが故に、原発大国の匂いがして来ない。

そのあたりの、バランスが大事なのか。

何事にもバランス、塩梅が大事ということかもしれない。

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