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執筆者の写真Nobuhiro Kawai

気持ちのいい日


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先日の出来事だが、今年最後の秋キャンプを行なった。

紅葉は色鮮やかな時期を過ぎ、後は枯れ葉となって落ちてゆくのを待っている。

一週間でこんなにも景色は変わってしまうのだ。


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それとともに、森の景色は見通しが良くなって、十勝川もはっきりと蛇行した線が見えてくる。

この森にとって、これからの時期が最高のベストシーズンと思っている。


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夏の火はキャンプファイヤーなどを見てもわかるように完全にショーのような扱い。

しかし、秋から冬にかけての火は、生きるための暖をとる手段。

そんな焚き火を利用して料理を作り、いびつな木のまな板そのままを皿にしてのサラダ。

何度とここでキャンプをしているが、何度経験しても飽きることはなく、むしろますますこの場が好きになっていく。

食後も焚き火を見ながら仲間と語り合う時間がなんとも贅沢な時間だ。

人は火を見ながら語り合うと素直な自分を出せると何かに書いてあったが、まさしく気持ちが素直になっていくのも感じられる。


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翌朝は、霧が立ちこめていた。

天気が悪いのではなく、地熱があるせいでの霧。

暖かくなる予感がする。


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昨日の残りを朝ご飯にと調理している間に、気持ちのいい光が木々の間から降り注ぐ。

今日はこの時期には、ないような気温になるらしい。

朝ご飯を食べ終わっても、いつまでもこのままでいたいという空気がこの空間を漂っているようだ。

こんな日は、一年の中でも稀かもしれないし、過去にもなかったよう木がする。

とは言っても、時間には限りがあるから、片付けをしてカヌーへ。


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空気は適度な涼しさ。

そして、それを補う暖かく気持ちのいい太陽の日差し。


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3人ライドだったが、皆がそれぞれ無言のまま川の流れにただただ乗っている。

無心であり、心が浄化されているような感覚。

今回のリバーカヌーは不思議な感覚を感じさせてくれた。


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十勝の秋。

最後の最後にこんな気持ちのいい日を体験できて幸せを感じざるを得なかった。


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今後、この森をまだまだいい森にするという情熱は、こういった経験がある限り失わないと思う。

そして、時間を楽しみ、人生を楽しむ。

このコンセプトに間違いはないだろう。

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